■神道の歴史
神道は自然発生的に生まれてきた宗教であり、豊かな自然に対する独特の感受性を基に、日本という風土の中で育まれた民族宗教です。仏教やキリスト教などと違い、いつ、だれが開いたというものではなく、特定の教祖や経典を持ってはいません。したがって、神道の起源は明らかではありませんが、『古事記』や『日本書紀』などにおける古典神話に、その原始的な形態を伺うことはできます。
「八百万神」といわれるように、神道は多神教です。天照大御神や大国主神など、名前を持った神々が神話に登場していますが、中でも日の神である天照大御神が中心的な神格を持っています。天照大御神は皇室の祖先神であるとされ、後に伊勢神宮に祀られますが、中世以降に伊勢信仰は全国各地に広められることとなります。一方では、山の神や海の神などといった自然を司る名前を持たない神々が、民間信仰によって敬われてきました。
神々の中でも、地域社会の中で庶民にとって関係が深くなっていったのは、各地域の守り神、いわゆる氏神や産土神です。そういった氏神や産土神をまつる祭祀に基づき、大陸文化の影響もあって、やがて全国各地に神社が建てられます。また、仏教が伝来されることによって、社殿や神像が造られてゆくのですが、次第に神道と仏教は融合してゆくこととなります。
その後、江戸の元禄時代になると、日本古来の純粋な神道への回帰を求める「復古神道」が唱えられ、明治の初期には、政府によって神仏分離が行われるに至り、神社から仏教的要素が払拭されてゆきます。昭和21年には全国神社約8万社の総意に基づき、神社本庁が設立され、古来から尊重されてきた精神的・実践的な規範をまとめた『敬神生活の綱領』が、昭和31年にまとめられています。
■神道の内容
「神道とは何か」という問いには、専門家でもなかなか明確に答えることができないようです。このことは、特定の教祖や経典を持たない、自然に出来上がった民族宗教の特徴ともいえるでしょう。それゆえに、歴史の中で仏教と融合することもできたのであり、現在でも仏壇と神棚が同じ屋根の下に設けられるなど、他宗教と並存することもできるのです。
初詣をはじめ、 神前結婚式、初宮参り、七五三、成人式、安産祈願、合格祈願など、神社に出掛けて祈願する行事は日本文化の中に定着しており、意識するしないにかかわらず、わたしたちは日常生活の中で神道に接しています。こうしたことから、神道は意識的な宗教行為としてよりも、長い伝統の中で習慣化された儀礼行為としての要素が強いともいえるでしょう。
ただし、神道が「祭り」という行為を中心にしてきた信仰であることを忘れることはできません。「祭り」とは本来、神々を祀(祭)るという宗教的な行為であり、畏敬と感謝の心で神々に祈り願うということです。底流で素朴な自然崇拝と結びついたその心は、儀礼や行事を通して、今も生きているのです。
■神道の影響
神道とは、一般に神社を中心とする神社神道のことを言いますが、こうした神社神道の他に教派神道を挙げることもできます。これは、明治以降に政府によって認められた神道系の教団のことで、黒住教、天理教、金光教など13の教派がこれにあたることから、神道十三派とも呼ばれています。
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■教派神道一覧表
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系列
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名称
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創設者
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創設年
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祭神
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経典
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習合神道系
創唱宗教 |
天理教 |
中山みき |
1838年 |
ぢば |
おふでさき他 |
| 金光教 |
金光大神 |
1900年 |
天地金乃神 |
金光教経典 |
| 黒住教 |
黒住宗忠 |
1814年 |
天照大御神等 |
黒住教書 |
元山岳信仰
講社 |
實行教 |
柴田花守 |
1882年 |
参鏡等 |
實行教神拝御恩礼詞 |
| 扶桑教 |
藤原角行東覚 |
1558年 |
大祖参神等 |
神理大要・神徳経 |
| 御獄教 |
下山窓助 |
1882年 |
国常立尊 |
御獄教典壱巻 |
元復古神道系
講社 |
出雲大社教 |
千家尊福 |
1872年 |
大国主大神 |
教旨大要・大道要義 |
| 神道大教 |
有栖川宮熾仁 |
1875年 |
天之御中主神等 |
古事記・日本書紀・神道要旨・教の舞 |
| 神道大成教 |
平山省斎 |
1879年 |
天之御中主神等 |
本教眞訣・内篇外篇・修道眞法 |
| 神習教 |
芳村忠明 |
1881年 |
天之御中主神等 |
古事記・日本書紀・他4教 |
| 神道修成教 |
新田邦夫 |
1848年 |
造化三神等 |
修道潟源・修成道教典・顕幽略説 |
| 民衆神道信仰 |
神理教 |
佐野経彦 |
1876年 |
天在諸神配祀諸神 |
御教語・神聖にゅもん・神理の声 |
| 禊教 |
井上正鐡 |
1833年 |
天照日太神 |
古事記・神道唯一問答書・井上正鐡神御文書 |
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